丸さんの医療コラム

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見えない胃病に効くクスリ


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 日本人は胃弱民族だといわれる。統計もそのことを示していて、18歳以上の日本人の26%が3ヵ月に1度は、「心窩部不快感 心窩部痛 悪心・嘔吐 食欲不振」といった症状を経験している。(心窩=みずおち)

 そうした「上腹部愁訴患者」の内視鏡(胃カメラ)検査の所見データを見ると、53%が「正常」で、残りの47%を消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)、胃炎、胃がん、胆石、逆流性食道炎(胃酸が食道に逆流、胸やけ、げっぷ、つかえ感、胸痛などが起こる)で分け合っている。

 つまり「胃の調子が悪い」人の半数以上には何の異常も見つからない。医師の目には異常な変化は何も見えない。で、「異常ありません」と言われ、「気のせいですよ」と言われたりすることも少なくない。

 そんなことはない。患者には異常な自覚症状がハッキリとあるのだ。それも慢性的に─。

 こうした病態は、現在、保険病名としては便宜的に「慢性胃炎」とされている。内視鏡で病変が認められる本物の「慢性胃炎」と、保険適用のための「いわゆる慢性胃炎」があるわけだ。

 欧米ではこれはすでに「ファンクショナル ディスペプシア(機能性消化管症状)」として認められていた病気で、99年、日本の消化器学会も「機能性ディスペプシア」と呼ぶことに決めた。

 いわゆる慢性胃炎の治療には、1防御因子増強薬(胃粘膜を保護する)、2攻撃因子抑制薬(胃酸の分泌を抑制する)、3消化管運動賦活薬(胃腸の働きを改善する)が使われている。

 しかし、1と2は胃潰瘍などのように胃粘膜に病変がある場合に用いる薬で、胃粘膜には異常がない「機能性ディスペプシア」への安易な投薬は合理的ではないと、専門家は指摘している。患者1000例対象の大規模臨床試験で、機能性ディスペプシアにはモサプリド(商品名・ガスモチン)というクスリがよく効くことがわかったそうだ。
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