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失聴小記
私事だが、筆者は数年来の前立腺がん患者。故・三波春夫さん、は同病の先輩、一歳年少の陛下は恐れ多いことながら後輩だ。で、「歌のうまい人と高貴な方がかかるがんなノダ」と軽口をたたいてきた。スポンサードリンク
そこへ今度は完全失聴が加わった。もともと右耳は十数年前から高度難聴だったのだが、左耳も壊れてしまった。聞こえるのは両耳の中で鳴きしきるせみ時雨だけ。完全な無音世界での生活が始まった。三波春夫+べートーベン(晩年は全ろうだった)になったわけだ。
妻が、この突発的障害を妹に話していた(らしい)受話器を受け取りへ向こうの声は聞こえないので一方的に一言二言しゃべって、妻に返すと、受話器を耳に当てた妻の顔面が笑いくずれた。妹が「弁当にあたったの」と言ったらしい。べートーベンが弁当便に聞こえるようでは、妹の耳もシンパイだ。
耳はいかれても作文仕事はできる。商売替えはしなくてもよさそうだが、時折頂くことのあった読者の方からの電話には応じられなくなった。ごめんなさい。
妻が、この突発的障害を妹に話していた(らしい)受話器を受け取りへ向こうの声は聞こえないので一方的に一言二言しゃべって、妻に返すと、受話器を耳に当てた妻の顔面が笑いくずれた。妹が「弁当にあたったの」と言ったらしい。べートーベンが弁当便に聞こえるようでは、妹の耳もシンパイだ。
耳はいかれても作文仕事はできる。商売替えはしなくてもよさそうだが、時折頂くことのあった読者の方からの電話には応じられなくなった。ごめんなさい。
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