丸さんの医療コラム

医療ジャーナリスト・丸山寛之さんの医療・健康コラムです。
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健康の素は頭と心

 糖尿病がふえている。痛風もふえている。高血圧はへってない。ちっともへってない。だから脳.卒中がとても多い。心筋梗塞もけっこう多い。肝炎・肝硬変もバカにできない。胃・十二指腸潰瘍、言うまでもない。そこへもってきてCOPD(慢性閉塞性肺疾患〉なんて新顔もしゃしゃり出てきた。なによりかにより死因断トツ1位のがんを忘れてはいけない。……と、こう見てくるとまるで日本列島、病人だらけみたいである。

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 しかし、それにしては、みなさん若くて、元気で、長生きされてるではないか。日本人の平均寿命、健康寿命、ともに世界一であるし、今の60歳は昔の42歳、70歳は49歳……という年齢七掛け説さえ聞かれる。ご同慶の至りと申しあげたい。
 考えてみると、これはすこしも不思議ではない。病気がふえていることと、若くて、元気で、長生きの人が多いこととはけっして矛盾しない。
 早い話が、糖尿病だ。昔、糖尿病は「重役病」といわれた。それほど少なかった。今、糖尿病患者は全国で740万人、予備群も含めると1620万人だ。国民病になっている。原因を一言でいえば、多くの人が昔の重役なみの生活ができるようになったからだろう。
 同じ状況は痛風にも、心臓病にも、脳卒中にも、見ることができるだろう。
 がんもそうである。がんなんて人生50年の時代には稀有な病気だった。いま、がんがふえているのは、がんになる(なれる)ほど元気に長生きする人がふえたためである。
 つまり、、元気だから病気をし、長生きするから病気になるのである。これが日本成人病列島の逆説的真実である。そういっていいと思う。
 さて、そこで、です。このうえさらに元気に長生ぎするには、どうしたらいいか? ポイントは、頭と心であると、老年学の世界的権威が言っている。
 米国有数の名門、デューク大学に世界最初の老年学研究所をつくったパルモア教授らは、大学の所在地ノースカロライナ州ダーラムの60歳以上の住民、約1000人を50年代初めから25年間モニターし続けた。
 結果、心身ともに健康な高齢者たちには共通して、次のような3つの特徴が認められたと報告している。

  1. 健康感。いま、自分は健康だと思っている人。
  2. 生きがい。男性は仕事が楽しい(楽しかった)人、女性は家庭生活が楽しい人。
  3. インテリジェンス。食物や健康についての知識、生活の知恵をきちんと持っている人。
つまり、どれも心と頭にかかわる要素であり、それが体の健康をも支える必要条件であることがわかった─というのである。

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